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ゲーム文化、そしてゲーム研究の現在形
松井広志・井口貴紀・大石真澄・秦美香子 編
「ゲームメディア自体の複合性」「ゲームのメディアミックスな横断性」「さまざまなジャンルに展開するゲーム文化の多様性」
以上の3つの意味は相対的に独立したものだが、それぞれ密接に関係している。これらすべてに共通するのは、「ゲーム」を広い社会のなかで捉えることだ。つまり本書は、作品のルールや虚構世界を考えることに加えて、プレイヤーやゲームの文化を、それを取り巻く社会的文脈のなかで捉える。だた、これは私たちの独創的な視点ではなく、文化社会学や、CS、メディア研究で培われてきた、ある意味ではオーソドックスな視点である。
現在は、コンシューマー機やPC、アーケードのゲームが多くの人にプレイされているだけでなく、より古くからあるボードゲームやTRPGなどのアナログゲームが再注目されている。それに加えて、VRゲームやARゲームも次々と登場している。そうしたゲームの未来は、まさに「多元化するゲーム」と呼ぶにふさわしいものではないだろうか。「多元化するゲーム」をめぐる「文化」やその「社会」との関係を捉えていくことこそ、本書の目的である。
(序章より抜粋)
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